安全とは「受け入れられないリスクがないこと」と定義づけられています。
では、リスクとは何なのか、という話です。
リスクは定量的に表すことができる
リスクは「危害の大きさと発生の可能性の積や組み合わせ」でリスクを評価するときは対数(log)にして桁数で評価するそうです。
SIL(Safety Integrity Level、安全度水準)では
リスク:R
危害の大きさ:C
発生の可能性:P
としたときリスクは
R=C*P
で表し、リスクの大きさは
log P = log R – log C
で表されます。
図にするとこんな感じです。

右に行くほど深刻な被害、上に行くほど頻発することを表しています。
斜めに引かれている黒い線は同じリスクになりますので、「被害は大きいけどめったに発生しない問題」と「被害は小さいけど頻発する問題」は同じリスクとなります。
右上(赤い領域)に行くほど受け入れられないリスク(例えば死亡など)となり、左下(白い領域)に行くほど受け入れられるリスクとなります(図では黒線とリスクの領域が平行になっていますが実際にそんなことはないですし、業界や製品によっても変わってくると思います)。
自動車業界では
自動車業界ではASIL(Automotive Safety Integrity Level)があり、SILと同じように
リスクの大きさ=暴露率(E:Exposure)*危害度(S:Severity)*制御可能性(C:Controllablility)
というように制御可能性:Cが追加されています(同じCなのに危害の大きさと制御可能性と違うので間違えそうです…)。
制御可能性は、故障が発生した際に運転手がどれくらい制御できるか、を表しています。
ASILはリスクの大きさをA~Dの4段階に分けており、ASIL Dの場合は最も手厚く2重3重の安全対策を講じる必要があります。逆にASIL Aの場合は基本的な対策だけでよさそうです。
リスクの特徴
リスクはlogで表します。
つまり、危害の大きさが1桁上がると発生確率は1桁下がることを表しています。
ハインリッヒの法則では
重傷又は廃失:傷害:物損のみ:障害も物損もない事故=1:10:30:600
となっています。
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo24_1.html
傷害と物損のみを中規模の事故とすると
1桁:2桁:3桁
となっており、危害の大きさが上がると発生確率が1桁下がっていることが分かります。
類似の法則を調べたところ、タイ・ピアソンの法則というのがあり、こちらも
重症災害:軽傷災害:応急処置:物損事故:ヒヤリハット=1:3:50:80:400
となっており桁単位で変わっていることが分かります。
まとめ
- リスクとは「危害の大きさと発生の可能性の積や組み合わせ」で、
自動車業界では「暴露率*危害度*制御可能性」で定量的に表すことができる - 危害の大きさが1桁上がると発生確率は1桁下がる

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